ハモンイベリコの伝統的な製法
厳選された大きな後ろ足が旨い生ハムには必須。枝肉から解体され冷蔵庫に保管される
塩漬けされる。リサルドカストロ社の場合、塩は天然塩の粗塩。
甘みがある湖塩は、トレビエハ(トレビエッハ)の塩だ。
塩漬けは冷蔵庫内で3℃〜4℃で湿度80パーセントから90パーセントに保たれ、
約13kgの後ろ足で10日間行われる。
約10日間経ったところで、この機械で塩を洗浄する。
ここでも人の手を介さない。人の手でさわらないということは重要だ。
余計な菌をつけないことだから。ある意味、生ハム作りは細菌学だ。
乾燥は90日間行われる。温度は4℃〜6℃で湿度80パーセント。
約60日間で良質のカビが生えてくる。
塩漬けから乾燥まで約100日間を温度と湿度を徹底的に管理することによって、
品質の安定した生ハムが作れるばかりではなく、じっくりと塩が入っていき、
独特の風味と甘みをもったイベリコ生ハムの下地ができあがる。
いい素材と技術に裏づけられた丁寧な仕事が、ギフエロの独特の気候風土と合わさって、
絶妙な旨さをかもし出す。まさにここは「イベリコ生ハムの聖地だ」
乾燥されたイベリコ豚の後ろ足はカビが生えたまま熟成庫に移され、さらに乾燥と熟成をしていく。
表面についた良質のカビ(酵母菌、白カビ)に守られながらエージング(熟成)が進んでいく。
さらに乳酸菌はイベリコ豚の内部に入り込んでいく。
イベリコ生ハムは、1年に2回ほど表面を磨かれさらに熟成が進んでいく。
9kg〜9,5kgのハモンイベリコベジョータ。2003年3月期に仕込んだものだ。
いままでで3年と3ヶ月、39ヶ月経っている。これを年末に入れる商談が成立。予約をした。
44ヶ月以上熟成のハモンイベリコベジョータが日本に初上陸する予定だ。
チョリソーの熟成
こちらが、チョリソー、サルシチョンの加工場。ドイツや、スイスの機械を使っているとのこと。
仕込まれたチョリソーは冷蔵庫で休ませた後に熟成される。
この部屋で18℃の温度で醗酵熟成される。
熟成庫でチョリソーベジョータは8ヶ月間エージング(熟成)される。
手前がまだ仕込んだばかりのチョリソーで奥は数ヶ月経っている。
チョリソーの内部は嫌気性の乳酸菌の働きで旨み成分が増えていく。
出荷の前には、カビを落としてきれいに磨かれ製品化される。
イベリコ豚がもっているタンパク質は、良質な酵母菌、白カビその他のバクテリアによって
分解され、旨み成分であるアミノ酸へと変化していく。
サラミは木でできた熟成庫に移され、ここだけにしかいない良質なバクテリアにより
さらなる熟成を迎える。(年末の特別なチョリソーの商談をしました!)
近代的設備
リサルド・カストロ社は最新鋭の機材に裏打ちされた工場で高生産を上げている、この地区(ギフエロ)のリーダー的生ハム生産者だ。伝統的な技法と最新鋭のノウハウが高次元でマッチしたもので、ギフエロの中小零細にはない生産体制を誇っている。
最新鋭の工場の特徴としては、このレールがその一つ
生ハムの工程の最初の段階から最終出荷までが、人の手をさわることなくできる。
冷蔵庫にもそのまま入り、各階のエレベーターの移動までも自動で行われることにより
生の後ろ足の状態→塩漬け→塩漬け後の冷蔵→熟成→出荷が人の手を介さずにできる。
工場の機械を見渡せば、ヨーロッパ各国の最新鋭の技術をくまなく導入して
一貫した生産と衛生管理に裏打ちされていることが理解できる。
各階の床には暖房も張り巡らされており、過度の冷え込みにも対処できる。
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