前回カットしたときから約10日間が経った、パレタイベリコのカッティングも終盤に差し掛かって来ました。
※パレタイベリコ生ハムを後ろ側から見たところ。
上下からカッティングをするところは後ろ足(ハモンイベリコ)と同じです。
パレタは最後に肩甲骨(向かって左側の皮があるところ)の後ろ側の生ハムが残ります。
前面の骨側から見るとあとほんのわずかの生ハムが残っているだけになりました。
※パレタイベリコの前面から見たところ。写真が肩甲骨。
業界では「羽子板」と呼びます。大きい骨ですが、薄いのでそれ程容積はありません。
骨の上側の生ハムをそぐようにしてカッティングしていきます。
ちなみにナイフはウィンガー社のスライサー。安価な上、永い切れ味があります。
写真のようにこの部位は背脂とのバランスが良くて、味もある部位。
肩三角と呼ばれる部位です。
ナイフの手前側(元側)は骨なのでナイフを斜めに傾けながらカッティングしていきます。
カッティングした断面。骨の周りの肉が旨いとはよく言ったものですね!
この面の生ハム(イベリコ生ハム)は丁度、脂と骨の間で守られているところなので乾燥しすぎず脂と肉のバランスもよく、旨い!!
肩甲骨の後ろの脂のところ。
表面の黄色く色が変わっているところを薄くそいでいきます。(この部分は酸化しているので捨てます)
脂を取り除いたところ。肩甲骨の下側、肩の付け根の部分です。
骨のくぼみにも肉が付いているので、丁寧にカットしていきます。
ナイフは縦に使ったり横に使ったりカットしやすい方法でカットしていきます。
写真はスジ。大きいのですぐわかります。硬いので取り除きます。
肉の部位はミスジという部位になります。
スジをとったらその下の生ハムをカットします。
写真ではわかりにくいですが、この部位は肉の中に脂が入り込みやすく、旨い!!
骨のくぼみにもナイフを縦にして入れていきます。
ほぼ、カット終了したところ。後は小さいナイフで骨からそぎ落とすように生ハムをカットしていくときれいに取れます。
写真は肩甲骨の裏側ですが、骨についている生ハムが旨い!
パレタイベリコを後ろ側(皮側)から見たところ。
骨のくぼみにもきれいにナイフを入れてカットされているのがわかります。
写真の左下が肩甲骨でその上(中間の骨)が肩げん骨。
肩甲骨と肩げん骨との間の生ハムもしっとりとしていて旨い!
適度に運動をしているので味もあります。
表から見たところ。
パレタイベリコのカッティングもこれで終了です。
骨足首などは、スープにとると旨い出汁がとれます。煮方は一度煮こぼして、徹底的に脂を取り除くことがポイント。
時間にして6時間ぐらいコトコトとすると美味しいスープがとれます。
肩げん骨は、バールか、鉈(なた)の峯などでスナップを利かせて軽く振り下ろすことで簡単に割ることが出来るので、一度煮こぼした後に、冷めて落ち着いたら割って煮込むことをおすすめします。
スペインのギフエロなどでは、この骨を使ったスープを出すところがありますが、
クセも無く上品な味わいです。
※スペインの生ハムの聖地ともいうべきギフエロのバールででたイベリコ生ハムの骨で取ったスープ。黄金色した澄んだスープで旨い!
ちなみにカッティングで使用したパレタイベリコは、
フランス料理の三ツ星シェフ、ポールボキューズもレストランで使用している
ブランド(リサルドカストロ)です。
|